日本語・日本文化学類 3年 小川恭平 留学先:ロシア モスクワ市立教育大学 留学期間:2012年9月~2013年7月
★どんな街に住んでいますか?
寮に住んでいますが、モスクワの中心からは離れていて、割と静かな所です。寮の隣には大き目の公園があり、平日・休日を問わず散歩やジョギングなどをしている人たちを見かけます。周りには自然が多いので、リラックスできます。
★ロシアでの大学での生活はどのような感じですか?
まず、ロシアの大学と日本の大学の違いは、「学生たちが勉強する」ということですね。日本の大学と違って、就活やサークルなんていうシステムはありませんし、先生方も厳しいので、学生たちは課題に追われているようです。そして、日本の大学と違って、学生たちは受ける授業を自分で決めることができないのが普通です。なので、朝から夕方まで授業がびっしり詰まっています。これも学習量の差の原因の1つだと思います。
私は、こちらでの日本語教育実習をメインに、ロシア語の授業も受けています。実習の方は、大学と11年制学校(ロシアでは小中高一貫の学校がほとんど)の他に、社会人にも日本語を教えています。ロシア語の授業は少人数のクラスで、ロシア語専攻の中国人・台湾人と一緒に勉強しています。グループメイトはみんないい人たちで、ロシア語の授業も楽しいです。
前述の通り、ロシア人教師は課題の量が多いので、平日は日本語の授業のための準備はもちろん、ロシア語の授業のための準備にも追われている、というのが私の日常です。ですが、これぞ留学!日本にいたらこんなに勉強することはないと思います。この点は、留学して良かったと思うことの1つです。
★授業やクラブ活動の様子について教えてください! 前にも書きましたが、クラブ活動はないので、私の日本語の授業について書いていこうと思います。大学・社会人の学習者は好きで勉強しているので、モチベーションが高く、質問も絶えません。「好きこそ物の上手なれ」とはよく言ったもので、彼らの上達も感じられますし、教えていてとても楽しいです。ちなみに大学では、文化紹介の授業と、ロシア語と日本語を比較しながら、ロシア人に多い誤用について考えるという2つの授業を担当しています。その他に、時々他の先生の代講をすることもあります。どれもいい経験です。一方で、11年制学校の子どもたちはモンスターですね。私は5年生と7年生の授業を担当していますが、日本人の小学生よりも落ち着きがありません。そんな子どもたちの授業はもちろん大変ですが、時に報わる瞬間があるのでやめられません。
★休みのときはどんなことをして過ごしていますか?
大学・社会人の学習者たちを誘って、どこかへ出かけることがほとんどです。せっかく海外に出ているので、できるだけ学習者と接したいという考えがあるからです。いろいろな話ができて面白いですよ。それから、こちらに留学中の日本人留学生との交流もしています。学習者と話す時とは別な観点から話ができて、ためになります。
★おすすめのレストランやスポットを教えてください! モスクワには何種類かの日本料理レストランがあります。店によって品質は違いますが、おいしい店も多いです。最近は日本のうどん屋チェーン「丸亀製麺」がモスクワに進出しました。私が日本にいた頃から大好きな店だったので、学習者と一緒によく食べに行きます。店内では日本人や中国人など、アジア人もよく見かけます。ただし、モスクワで外食しようとすると、日本で外食するよりもお金がかかります。そのため、特に学生たちとはいつも安くておいしい店を探して食事に行っています。
★一番、嬉しかった思い出は? 「一番」となると悩みますが、11年制学校で書道の授業をした時、生徒たちが私向けに書いてくれたプレゼントですかね。「with love」と書いてくれていましたね。それから、大学の学生たちに「先生の授業はとても面白かったです!ありがとうございました!」と言われた時ですかね。気づけばこうして学習者からエネルギーをもらいながら生活しているなぁ、と。感謝、感謝です。
★一番、つらかったことは?
病気にかかった時。ロシアの病院は…
★衝撃だったカルチャーショックは?
すべてです。日本とロシア、全然違いますよ。ぜひお試しあれ!
★一番、ときめいたことは? 学類HP用の写真を11年制学校で撮ろうとした時のこと、「みんな集まってー」と言ったら、生徒たちが「え、記念撮影?先生もう日本に帰っちゃうの?」ときいてきました。「いや、まだ帰らないよ」と答えると、生徒が胸を撫で下ろして「はぁ~、よかったぁ~」と言ったこと。こういう瞬間があるから、やめられないんですよね!
★残りの留学生活で達成したいことはありますか?
可能な限り学習者と接することですね。遊びでもなんでもいいので、彼らと過ごしたいです。それと、帰国前にバイカル湖を見に行きたいです!
★留学生活を振り返ってみて、成長したと思うところや学んだことを教えてください!
自分で言うのもなんですが、かなり成長できたと思います。日本にいる他の学生と比べて、(いろいろと)強くなって帰国できるという自信があります。
ロシア語は、やはり使わざるを得ない環境に置かれることによって自然に(少しは)上達しましたし、日本語教育の面でも、かなり多くの経験値が手に入ったことは確かです。
★留学を希望している筑波大生へのメッセージを!
「なんとなく授業に出て、とりあえず単位をとって、そろそろ就活が始まるな~」なんてそんな4年間、もったいない!何のために筑波大に入ったかを思い出してください。「すべては就職のため」という人なら話は別ですが、やりたいことがあるあなた、知りたいことがあるあなた、百聞は一見にしかず。留学はその一助となるどころか、無数の+αを得られますよ。「学生のうちにしかできないこと」というのはいくつかありますが、留学もそのうちの1つだと思います。
それから、既に留学を決めている皆さん、これからの留学を考えている皆さん、「とりあえず留学してみる」というのも1つの手ではありますが、明確な目的を持って過ごす留学生活の方が、比べ物にならないほど充実すると思いますよ。とにかく「なんとなく」4年間を過ごすなんて嫌だ!という方や確固たる目的と覚悟がある方、世界に飛び出せ!
※ロシア・モスクワへの留学を考えている方、いつでもご相談承ります。
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