1.基本情報
氏名:石上漱眞
学類:国際総合学類
学年:4年
専攻:計量経済学
留学先:米国オハイオ州立大学
期間:2016年8月~2017年5月
2.留学を志したきっかけ
私の留学の目的は二つありました。一つ目は、経済学とデータ分析を社会に活かすためのスキル、知識、経験を手に入れること、もう一つは、専門分野を活かすための幅広い知識を手に入れることでした。これらの目的を達成するために適当な留学先として、全米最大級の総合大学として幅広い研究分野を持ち、さらに米国内でも珍しいデータアナリシス専攻を持つオハイオ州立大学を選びました。
3. 留学前の準備
私が留学を決心したのは、2年次の半ばと比較的遅い時期ですが、留学という選択肢を残しておくために準備は早くから行っていました。特に、長期的な準備として、自分の専門に関する基礎科目の履修について書きます。
基礎科目の履修についてですが、これは留学先で専門的な科目を履修するのに必要です。筑波大学でも留学先の大学でも、専門的な発展レベルの授業を履修するには、その科目の履修条件を満たす必要があります。例えば、留学生としてオハイオ州立大学の応用マーケティング統計の授業を履修するためには、統計基礎の単位を得ていることが条件になったうえで担当の教授から履修許可を個別に取る必要があります。私は留学前にこの統計基礎の単位を取得していたため、留学先で統計基礎の単位を取らずに、発展レベルの授業を受けることができました。このように、ある専門分野の基礎科目を留学前に取得しておくことで留学中の限られた履修枠を自分の学びたい分野に費やすことができます。
4.現地での生活 コロンバスはオハイオ州の州都で、米国の中でも比較的大きな街です。オハイオ州立大学は全米でも最大級の学生数を持つ大学であり、広大なキャンパスを持っています。総合大学としても多くの研究分野を持っており、神経経済学など比較的新しい分野もカバーしているなど恵まれた学習環境がありました。 現地では私はシェアハウスをしていました。大学から徒歩15分くらいの貸家にアメリカ人、ドイツ人、イギリス人の学生と住んでいました。こちらではこのようにシェアハウスするのは普通のことであるそうです。また、寮に比べ家賃が安いのも魅力的でした。 課外活動についてですが、オハイオ州立大学にはビッグデータ解析に関する学生団体が存在しており、私は定期的にその勉強会に参加していました。また、その団体が開く講演会では、実際の企業のデータ分析担当者から話を聞くことができました。 これ以外には、大学と米国統計協会が開催した、Data Festというデータ解析コンペティションに参加しました。ここでは、米国人学生とチームを組んで、実際の企業のデータを分析する経験を得ることができました。
5. 授業の様子
留学中私は、計量経済学、ゲーム理論、マーケティング統計など経済学やデータ分析に関する科目と、環境の持続可能性、神経科学などそれ以外で興味をもった科目を履修していました。筑波大学では、教授によりますが、課題がほぼなく、中間と期末テストのみで評価が決まるというタイプの授業が多いと思います。対して、オハイオ州立大学ではどの科目でも共通して、課題の量が多く、ほぼ毎週いずれかの科目の課題があるような状況でした。また、テストも学期を通して3~4回あるような授業もありました。
6. 長期休暇中に何したか
オハイオ州立大学では12月に長い冬休みがありました。オハイオ州は冬寒く、他の学生も休暇中は実家に帰ったりしており、コロンバスにいてもすることがなかったので、12月でも暖かいカリフォルニア州に旅行に行っておりました。また私は留学と並行して卒業に必須な独立論文を執筆していたので、その最終チェックもこの時期に行っておりました。
7. 一番苦労したこと
一案苦労したことは英語で、思うほど流暢に話せるようにはなれませんでした。授業ではなるべく発言するように心がけたのですが、私は普段あまり積極的に人と話すタイプではないので、日常的な会話が少なくなってしまいました。特にネイティブスピーカーの方たちと話すときに極度に緊張して話せなくなってしまう気質だと分かったので、留学中に成し遂げられなかった反省点として今後も語学を磨いていきたいです。
8. 一番うれしかったこと
留学中最もうれしかったことは、マーケティング統計の教授の案内で、ユタ州で開催されたSawtooth Software Marketing Analytics Challengeというマーケティング統計分析のコンペティションに参加し、オハイオ州立大学代表チームとして5チーム中第三位を獲得したことです。オハイオ州立大学チームは私と米国人の二人で、チーム内では私がすべての統計分析を担当し、相方にはレポートの作成やマーケティング戦略の策定を担当してもらいました。私は、このコンペティションを通してマーケティング分析の実践的なプロセスを学ぶことができました。また、将来データ分析に関するキャリアに進む自身つきました。
また上の教科書は授業でお世話になった教授からサイン付きで頂いたものです!
9. 留学生活を振り返って成長したと思うところ学んだこと・今後この経験をどのように活かしたいか
私は留学を通して、これから自分が何をしたいのか学びたいのかを見つけることができました。私は留学前から将来は計量経済学やデータ分析のスキルを活かすことができる仕事をしたいと考えていましたが、留学を通して、自分の学びたいことを学んだおかげで、より一層データ分析の道に進みたいという気持ちが強くなりました。特にマーケティング統計の教授に多く指導していただき、これが今後の自分の方向性に大きく影響していると感じています。
10. これから留学する人、留学を迷っている人へのメッセージ 留学の効果は、良い面も悪い面も、それらのサイズも人それぞれです。留学することがすべてプラスかと言うと、そんなことはありません。“留学しなければできたはずのこと”もたくさんあります。しかし、効果は人それぞれであって、最終的に自分自身が「これでよかった」と感じることがでればいいのだと思います。私は、できなかったことや留学しなければできたことなどを感じていますが、この気づきが帰国後の活動へのエナジーとなりそうで、全体としてこれでよかったと思っています。 私の体験が皆さんの判断をお助けできれば幸いです。
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